<日本グループ・ダイナミックス学会共催>
【日時】2021年12月5日(日)19:00~21:00
【登壇者】宮前良平(大阪大学)
大門大朗(京都大学)
【場所】オンライン開催(Zoomミーティング)
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災害ボランティアを望んでいないのは誰か:コロナ禍における災害ボランティアイメージに着目して
宮前良平(大阪大学)
本研究は、新型コロナウイルス感染症社会前後における災害ボランティアに付随するイメージの変容をTwitterのつぶやきの分析を通して明らかにすることを第一の目的とする。結論を先取りして言えば、新型コロナウイルス感染症が流行した社会において、災害ボランティアのイメージは「怖い」や「怪しい」、「忌避すべきもの」などのネガティブなものが増加した。次に、このようなネガティブな感情が誰からどのように発せられているのかをフィールドワークをもとに明らかにすることを第二の目的とする。こちらも結論を先取りして言えば、このような災害ボランティアへのネガティブなイメージは、直接被害を受けている被災者本人よりも、その周囲が「被災者のためを思って」「被災者はきっとこう思っているはず」などのように被災者心情を代弁することで言説の力を得ていったことが示唆される。このような、被災者心情への気遣いを見せることによって自らの主張を通そうとする態度を本発表では「気遣いのパターナリズム」と呼び、考察の対象とした。気遣いのパターナリズム言説が、当事者中心のように見えてその実当事者不在であるという点について深く議論できればと思う。
配慮の形式と防災の自己否定:被災地で語られないこと、未災地で語られすぎること
大門大朗(京都大学)
本発表では、災害のような特定のイベントが生起することで、地域内で何が語られ「なくなる」のか、何が語られ「すぎる」のかについて、東日本大震災の被災地と南海トラフ巨大地震(津波)の未災地(想定地)でのフィールドワークと新聞紙の内容分析・テキストマイニングから、その語りの形式について接近する。本発表では、防災の自己否定―かけがえのない日常を守るための防災が、危険地帯・浸水想定区域の提示、高台移転・居住選択の促進などによって、かえって何気ない日常を否定するもの―に陥らないためにも、日本社会において広がる「防災は良いこと」という共通認識の危険性に警鐘を鳴らす。
多くの方のご参加をお待ちしております。
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【研究会幹事】
鷹阪龍太(筑波大学)・倉矢匠(東洋大学)・ターン有加里ジェシカ(東京大学)
尾崎由佳(東洋大学)
【社会行動研究会HP】<リニューアルOPEN!>
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