【日時】2022年3月24日(木)16:00~18:00
【登壇者】
竹部成崇(大妻女子大学)
ターン有加里ジェシカ(東京大学大学院)
清水佑輔(東京大学大学院)
【場所】オンライン開催(Zoomミーティング)
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16:05-16:40
資源不足がゼロサム信念を介して内集団の範囲に及ぼす影響
竹部成崇(大妻女子大学)
社会ではしばしば、自集団の中に存在する異質な人々を排除したり、自集団に誰かが新たに加わることを拒否したりする傾向が見られる。社会科学における複数の領域の研究が、こうした現象の背後に「資源不足(resource scarcity)」の影響がある可能性を示唆している。しかし、どのような心理プロセスで資源不足が内集団の範囲を狭めるのかは、十分に明らかにされていない。内集団の狭隘化が様々な摩擦を引き起こしうることを考慮すると、そのプロセスを解明し、摩擦の回避のための示唆を得ることは重要であろう。そこで発表者は現在、資源不足が内集団の狭隘化を導くプロセスを検討している。より具体的には、資源不足はゼロサム信念を強めることによって内集団の狭隘化を導くと考え、このモデルを検証している。今回の発表では、その第一段階として行った1つのシナリオ実験について発表する。
16:40-17:15
誰がどのくらい仕事をすべきか?実際には誰がどのくらい仕事をするか?
――ボランティアのジレンマゲームを用いた検討――
ターン有加里ジェシカ(東京大学大学院)
誰かが集団のためにコストを負担しなければいけないという状況は日常にあふれています。卑近な例として、地域社会や職場において共有スペースが汚れているとき、誰か1人が掃除すれば全員が清潔な環境を享受できるという状況が挙げられるでしょう。多くの場合、共有スペースを掃除するのにかかる時間は人によって異なります(掃除するのに30分かかる人もいれば、50分かかる人もいるかもしれません)。このとき、少ない時間で掃除できる人はどのくらいその仕事を引き受けるべきでしょうか?また、実際にはどのくらいその仕事を引き受けるでしょうか?発表者は、経済ゲームの一つであるボランティアのジレンマゲームを用いてこれらの問いを検討してきました。本発表ではその結果を報告します。
17:15-17:50
高齢者に対する態度の肯定化:効果的な実践を目指して
清水佑輔 (東京大学大学院)
世界で高齢化が著しく進行しており、日本では特に顕著である。高齢者とそれ以外の世代の人々が友好的に相互作用し、共に暮らしやすい社会の在り方が模索されているが、世代間葛藤に関する問題は根深い。その原因の1つとして、高齢者以外の世代の人々が高齢者に対して抱くネガティブな態度が挙げられる。こういった態度の肯定化に向けて、高齢者に対する態度と密接に関連する諸変数 (若者アイデンティティや高齢者との接触経験など) について包括的に整理することは有効であろう。本発表の前半では、高齢者に対する態度と関連要因のモデル構築に関する研究結果を報告する。本発表の後半では、(やや) 実践的に高齢者に対する態度の肯定化を目指した研究結果を紹介する。高齢者に対する態度の肯定化、ひいては世代間葛藤の軽減に向けて、学校現場や医療・福祉現場における実践・介入研究は不可欠だと考える。よって本発表の最後では、これまでに実施してきた研究結果をどのように精緻化し、どのように「実践」につなげるかについて総合的に議論できればと思う。
このような場で発表させて頂くには大変未熟ですが、先生方から多くのご指導・コメントを頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。
多くの方のご参加をお待ちしております。
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【研究会幹事】
鷹阪龍太(筑波大学)・倉矢匠(東洋大学)・ターン有加里ジェシカ(東京大学)
尾崎由佳(東洋大学)
【社会行動研究会HP】
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